著者:薄井 宏航、山田 恭平
備品の最適な配置は利用者に任せたほうがより効果的なはずだ。
放任や無秩序ではなく、備品もDevOpsできるような仕組みを取り入れよう!
[2]チームの意見をデザインする のように、アジャイル基地の「設計」フェーズで、企画メンバーが実際利用するメンバーに参加してもらうケースもあるだろう。しかし一つ忘れてはいけない。利用するメンバーはアジャイル基地の「利用」だけでなく、「運用」フェーズにおいても中心となるのだ。使いやすいと想定していた備品や設備も、運用次第で使いづらいものになってしまう。
アジャイル開発には付箋やマーカー、ホワイトボードが欠かせない。書けないペンにイライラするのは生産性の敵だ。アジャイル基地の運用を始めると、どういうわけかこれら備品が補充されなかったり、ホワイトボードの前に書けないペンが放置される状況が発生する。
空間を上手く活用し、アジャイル基地の利用メンバーが誰でもアクセスでき、目に触れる位置に備品を配置しよう。そして備品在庫の残量が一目でわかるようにしよう。
豊富な在庫を可視化するだけで、メンバーは書けないペンを惜しみ、いつまでも使い続ける努力をやめるはずだ。更に、アジャイルに馴染みのある利用メンバーは、在庫を透明化することで自律的に備品の調達に動けるようになる。
「備品を使い終わったら元の場所に戻す」などの運用ルールと併せることで、アジャイル基地の各所に備品が点在する事もなくなり、柔軟で自由なレイアウト (Office Space Responsive to Change)の推進が進む。
備品が一か所に集まることにより、それらへアクセスしようとするチーム同士でチーム間のコミュニケーションが発生する。おやつはあなたと共に OYATSU with Youのスペースと併設することで、コミュニケーション活性の効果が高まるだろう。
利用者自らがアジャイル基地の改善を習慣化するクセを作ることで、大きな改善に繋がる可能性もあるだろう
- NTT Comware - COMWARE TO SPACE
- 部屋の中心に備品を集結させたコンディメントバーを設置している。各種備品が種類ごとに見やすくまとまっており、そこから必要な分を各チームが持っていき、不要となったら返却するという運用を行っている。 また、同形状の引き出しを差し込む形での収納方法としていることで、一つの引き出しにその必要な備品をまとめたらそのまま持っていくと、各チームの壁の専用フックにかけられるようになっており、持ち運びの利便性も追及している。